アイテム番号: KSJK-SNDL-JP
特別収容プロトコル
KSJK-SNDL-JPはサイト-81██の異常物品収容区画に収容し、固定器具を用いて常に水平状態で保持します。
「明日天気になあれ」の動作実験は制御環境下でのみ実施可能とし、特に側面で立てる行為は絶対に禁止されています。
違反時は即時懲戒および記憶処理が行われます。
説明
KSJK-SNDL-JPは、外見上一般的な右足用サンダルに酷似しています。対となる左足用は存在せず、出自は不明です。破壊や劣化の兆候は確認されていません。
KSJK-SNDL-JPを「明日天気になあれ」の遊びに用いると、以下の現象が発生します。
表(鼻緒が上)
落下した際に表が上を向くと、周囲半径約3kmの天候が即座に快晴へと改変されます。
雲や雨は強制的に消失し、気象庁の観測データすら矛盾なく「晴天」と書き換わることが確認されています。
裏(底面が上)
落下した際に裏が上を向くと、周囲半径3kmで異常気象が発生します。
現象はランダムであり、以下の記録が残っています。
- 豪雨と雷鳴の中に、局所的な虹の発生
- 赤色の雨が約20分間降下
- 空から魚、砂利、正体不明の灰色の粒子が降下
- 風向きが逆流し、地面から上へ吹き上げる嵐
この際、現象は必ず「人間に不利益を及ぼす形」で発生する傾向が確認されています。
側面(自立状態)
KSJK-SNDL-JPが偶発的または意図的に側面で立った場合、効果はさらに深刻化します。
- 重力の反転・回転
発生範囲内の重力方向がサンダルの角度に従って変化。建物や人間は横倒しに引き寄せられるように崩壊・転倒。 - “表”と“裏”の同時発現
快晴と異常気象が同時に発生し、晴天の空から豪雨と火山灰が降り注ぐなど、矛盾した気象現象が重複。
この影響で観測記録は分岐し、同一職員の証言が「晴れていた」「嵐だった」と両立する。 - 記録・存在の不安定化
現象下では映像・文章記録に齟齬が発生し、一部の職員は「もう片方のサンダルを見た」と証言。
また、過去に立ち会った研究員の一部が公式記録から抹消される事例が発生しています。
補遺 KSJK-SNDL-JP-S: 実験記録抜粋
- 実験S-01: 側面状態で静止 → 半径1kmの範囲で「横方向への落下」が発生。██名死亡。公式記録では「転落事故」と改竄。
- 実験S-04: 側面状態で10秒保持 → 快晴の空から雪と火山灰が同時に降下。
- 実験S-07: 側面状態で観測 → 職員██が「裏の世界にいる」と発言後、消失。その後、同職員に関する全ての記録が消滅。
結論
KSJK-SNDL-JPは単なる「天気占い」を超えた現実改変オブジェクトであり、特に側面状態は制御不能な次元的干渉を引き起こすことが判明しました。
現在も「片方しか存在しない理由」および「裏の世界」の正体について調査が継続中です。
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