静寂のアラーム

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アイテム番号: KSJK-CLK0-JP

特別収容プロトコ

KSJK-CLK0-JPはサイト-81██の標準異常物品収容ロッカーに収容されます。
試験的に使用する場合、監督職員の許可を得たうえで、必ず監視カメラとバイタルモニタリングを併設してください。
KSJK-CLK0-JPを個人寝室に持ち込むことは禁止されています。

説明

KSJK-CLK0-JPは外見上、1950年代に製造されたと思われる金属製の目覚まし時計です。ベルや電子音を鳴らす機構は搭載されていません。にもかかわらず、KSJK-CLK0-JPの近くで睡眠をとる人間は必ず設定時刻に目を覚まします

被験者は「音を聞いた」「揺さぶられた」など異なる感覚を証言しますが、実際には一切の外的刺激は観測されません。

異常性の進行

初期段階(1~3回使用)
 設定した時刻に自然に目覚める。健康的な目覚めと感じる被験者が多い。

中期段階(4~10回使用)
 設定時刻が徐々に本人の意思に関係なく数分ずつ早まる。また、目覚めと同時に未知の言語の夢を報告する例が増える。

末期段階(10回以上の連続使用)
 被験者は深夜や未明といった不自然な時刻に強制的に覚醒するようになる。やがてKSJK-CLK0-JPの針は「存在しない時間」を指し示し、その瞬間に目覚めた被験者は強い動悸・発汗を示し、数日以内に行方不明となるケースが確認されています。

実験記録抜粋

実験KSJK-CLK0-03: 被験者がKSJK-CLK0-JPを22:00に設定 → 翌朝、被験者は午前3:15に強制的に覚醒。「誰かに名前を呼ばれた」と証言。監視記録に音声なし。

実験KSJK-CLK0-07: 時計の針が「26時00分」を指す → 被験者は同刻に覚醒。覚醒直後に「ここが最後」と発言、その後失踪。

実験KSJK-CLK0-09: 音響センサー、振動計ともに異常反応なし。にもかかわらず被験者は「世界全体の音が止まった」と報告。

補遺 KSJK-CLK0-JP-1

KSJK-CLK0-JPの裏蓋には手書きで「最後の日に必ず起こす」と刻まれています。
これが製造者によるものか、後から加えられたものかは不明です。

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